プロ野球で目の下に黒を塗る意味は?

連日、熱い戦いが繰り広げられているプロ野球ですが、ここ最近、屋外で行われるデーゲームで、目の下に黒いシールのようなものを貼っている選手が目につくようになりました。
そう、あの目の下のクマのようなもの。
野球ファンならずとも気になっている方もいると思います。。あれは一体何なのでしょうか。

米・医学博士らの実証実験で効果あり

プロ野球選手が目の下に貼っている黒いシールは「アイブラック」と呼ばれるもので、太陽の光や、スタジアムの照明の眩しさを軽減させる目的で使用されます。
野手がフライなどを捕球するケースで、上空から差し込む強い光によって両目のコントラスト感覚が鈍り、打球が見えにくくなるという現象が起こり、これを防ぐために屋外のデーゲームで「アイブラック」を使用する選手が増えています。
「アイブラック」は、大きく分けて2つのタイプがあり、黒色のグリースを塗り付けるものと、黒色のシールを貼るものがあります。
「アイブラック」の起源をたどってみると、一説には1942年に米国のアメリカンフットボールの選手が使用したのが始まりとされています。当時はシールタイプのものはまだ販売されておらず、焼いたコルク樫の灰を目の下に塗っていたとのことです。
「アイブラック」の防眩性について長らく科学的に検証されてきませんでしたが、2000年代に入ってからようやく米国の医学博士によって実証実験が行われるようになり、ある程度の効果が見込まれると結論付けられました。
日本のプロ野球では80年代に入ってから「アイブラック」を用いる選手がみられるようになりました。
ヤクルト、近鉄で活躍した元メジャーリーガー、チャーリー・マニエル氏が愛用していたことは、オールドファンならお分かりでしょう。

日本野球よりも海外野球でよく見られるワケとは?

このように実用的なアイブラックですが、日本のプロ野球ではあまり目にする機会はなく、どちらかというとメジャーリーグの選手に多く見られます。
これにはいくつかの理由があります。

▼顔の彫りの深さ

西洋人の方のように、遺伝的に顔の彫りが深い選手は、目の下の光を受け止める面積が広く、その分大きな光を目に反射させることになります。
逆に、アジア人の方は彫りが浅く、アイブラックをつけなくても、比較的太陽光を苦にしないため、これが日本とメジャーのアイブラック着用者の差に影響していると考えられます。
とはいえ、もちろん顔の骨格は千差万別なので、自身がアイブラックが必要だと感じた場合は着用してみることをオススメします。

▼デイゲームの多さ
日本では基本的にシーズン中のデイゲームは土日祝の休日に開催され、平日のナイトゲームと比べるとその数は少ないです。
逆にメジャーでは比較的デイゲームが多く、球場によっては住宅地にあるがゆえ、ほぼデイゲームしか開催されない球場もあるほどです。
アイブラックが活躍するのはほぼデイゲームとなるので、メジャーの選手にアイブラック着用者が多いのも納得できますね。
このように、骨格や運営事情によって、日本の選手はあまりアイブラックをつける習慣がありません。
加えて、太陽光対策にはサングラスをつける選手がほとんどで、これがアイブラックがいまいち浸透しない原因のひとつでもあります。
そんな中、日本のプロ野球の試合でアイブラックを着用している代表的な選手をご紹介します。

・丸佳浩 選手 【読売ジャイアンツ】

2021年現在は巨人で活躍する丸選手。
古巣の広島東洋カープ時代からアイブラックを着用し、移籍後も試合によってサングラスとアイブラックを使い分けています。

・松田宣浩 選手 【福岡ソフトバンクホークス】
2020年の日本シリーズで着用していた姿が印象的でしたが、そもそも本拠地の福岡PayPayドームは太陽光が関係ないはず。
実はドーム内の光線が強いことが原因で、太陽下と同じような現象が起きることがあるようです。

「威圧的」メイクには厳しい罰金も

選手によって使用するタイプは異なり、DeNAの筒香嘉智外野手は、他選手と比べ上下の幅が厚めのものを使用しております。
本来の目的で使用するぶんには問題ありませんが、過去、MLB、NFLで「威嚇」を目的とするようなメイクを施した選手がおり、このようなケースにはMLB、NFLは高額な罰金を科すなど厳しい対応をしているとのことです。

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